白いあかつきに沈む夢
(c)日野裕太郎 (下町飲酒会駄文支部)
雪深い山奥の村 神殿にある日ひとりの青年が現れた 荷物どころか記憶さえ持たない彼はカクという名を与えられ 辺境の村で生活をはじめた 狼の遠吠えが村を取り巻くように響き渡るなか 王都から巫
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<白いあかつきに沈む夢について>
雪深い山奥の村
神殿にある日ひとりの青年が現れた
荷物どころか記憶さえ持たない彼はカクという名を与えられ
辺境の村で生活をはじめた
狼の遠吠えが村を取り巻くように響き渡るなか
王都から巫女と僧正が率いる魔物の討伐隊が訪れる
例年通り静かに暮らすはずだった――
不安が蔓延する村を前に
巫女はカクから神気を感じるといいはじめ……
巫女を脅かす、なにかを罰そうという神気
山を跋扈する狼の群れの声
僧兵らを鼓舞するような火の足音を残す赤い鼠
ただわかるのは逃げ場はないということだけだった